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里山便りバックナンバー2007
里山便りバックナンバー2007
2007.12.14
「薪ストーブ」
薪ストーブ毎年この時期になると工房では薪ストーブが活躍します。10年ほど前にホームセンターで購入した安物ではありますが鋳物の薪ストーブです。これでも結構工房の中は温かくなります。遠赤外線効果といいますか、石油ストーブなどとは違ってどかっとした温かさが周りに広がると、とてもいい気持ちになります。

私の一日は大体朝8時頃に工房に入り、薪ストーブに火を入れる事から始まります。焚き付け用に鉋屑を入れて、その上にベニ松の端材をなたで細かく割って乗せます。祖母が使っていた徳用マッチ(もう何年使っている事だろう)で火をつけると、一気に着火します。

ベニ松が十分に燃えたと見ると、日ごろ貯めておいた広葉樹の端材を入れて火をだんだんと大きくしていきます。コーヒーを飲みながらこうして火をつけ、ゆっくりと温まりながら同時に今日一日の段取りを頭の中で思い巡らします。

先日もお見えになったお客様とひとしきり薪ストーブの話で盛り上がりました。その方は家の中に薪ストーブを設置する事を考えてみえるとの事でした。薪ストーブにはアンデルセンやらバーモント何やらという有名メーカーのものがありますが、工事費などを含めるとどうやら70万から80万円以上するとの事です。もちろん上等なものはきっと耐久性も快適性も抜群にいいのでしょう。 うらやましいです。買えるものなら買いたい!ちなみにわが工房の薪ストーブは(工事は自分でやったので)全て含めて7万円ぐらいでしょうか。

私は焚き火が大好きです。というか得意です!(大きく出たな)…というのも訳があり、子供の頃からそんな経験を人より多くしているのかなと思います。私が子供の頃、まだ古い家だった頃、お風呂はまさにあの「五右衛門風呂」でした。鋳物の風呂の中に丸い板を沈めて入るというあの伝説のお風呂です。当然燃料は薪で、祖父がいつも薪で焚いているのを私はよく横に座って見ていました。そのうちに祖父に教わり、一緒に火を焚いたりしました。まだ物心が付いたばかりの小さい頃です。

少し大きくなり、小学校高学年の頃はボーイスカウトに入りました。ボーイスカウトではよくキャンプをしました。そこでもよく火を焚く経験をしました。ある時は「火焚き競争」などもやりました。70cmほどの高さのところに凧糸を張って、火を起こしてこの糸を切るというゲームです。材料は薪(30cmほどの垂木ぐらいの角材)1本、新聞紙1枚、マッチ2本、そしてなた…以上です。いかに早く大きな火を焚いてその火力で糸を切るかというゲームです。

なたで角材をどのくらいの細かさで割り、どのように組んだら良いかが決め手となります。一度火をつけたら後は手を出す事はできません。消えてしまったら終わりです。木の組み方、空気の取り入れ方、風向きなどいろいろな事を考えないといけません。思うにこの時の経験が今の私の「焚き火好き」になっているのだと思います。

よくバーベキューをしている家族の様子を見ていると、いきなり炭を入れてそれにガスバーナーで強引に火をつけている人を見かけます。(今はそれが当たり前のようですが…。)子ども会のキャンプで、子供の仕事を取り上げてしまい、わざわざ大人がでしゃばり、あたりに煙をいっぱいくすぶらせて、火吹き筒のようなもので強引に空気を送り込み、四苦八苦して火を焚いている様子も見かけます。

現代の生活で実際に火を起こすような経験はまずないと思いますし、それがなくても生活できるような便利な世の中になってきていますが、でも思うのです。火は太古の昔から、人間の遺伝子の中に組み込まれた野生の感覚を思い起こさせるものではないかと。よく言われるように現代の人間が脆弱になってきているのは、そういうものを失くしているからだとすれば、たかが焚き火と言い放つ事は出来ないと思います。

薪ストーブ今日も工房は薪ストーブの穏やかな温かみとプラスアルファのエネルギーに包まれて、快適に仕事をしています。
2007.10.12
「つまみ・取っ手」
秋らしい気持ちの良い季節になりました。この季節は1年のうちでも一番仕事がしやすく、はかどる季節ではないでしょうか。日常の注文品の制作に加えて、直前に控えた展示会の準備と大忙しの日々が続いています。

制作中の箱物(洗面台)つまみ・取っ手今、箱物(洗面台)を作っています。こうした箱物の注文が入るたびに意外に困るのが、扉や引き出しの取っ手であったりします。

市販の安物のつまみは使いたくないですし、中にはなかなか渋いものもあるのですが、たいていはいまいちしっくり来ません。
切り出し刀で削るボール盤やろくろでの整形やはり、唯一無二の木の家具には唯一無二の木の味わいのある取っ手をつけたいものです。でも、そうなると自作するしかありません。

という事で、どうしても取っ手は自作のものが多くなります。切り出し刀で一個ずつ少しづつ削って形にしたり、あるいはボール盤やろくろを駆使して整形したりします。

時間はかかるし、結構大変な作業です。価格の事だけを考えれば市販のものをつけた方が絶対安くつきますが、結構楽しい作業でもあります。自画自賛ですが、こうして完成したものを見ると、やはり自作したものが一番かなと思ってしまいます。
家具のつまみ・取っ手 家具のつまみ・取っ手 家具のつまみ・取っ手 家具のつまみ・取っ手 家具のつまみ・取っ手 家具のつまみ・取っ手
というわけで、これからも取っ手の開発は続いていきます。
2007.08.20
「郡上八幡」
郡上八幡と言えば盆踊りと長良川(正確に言えば、市内を流れているのは長良川の支流の吉田川)ですね。吉田川ではこの時期連日のように川遊びをする人で賑わっています。

橋の上から飛び込む姿橋の上から飛び込む姿はよくテレビでも放映されていますが、飛び込む人とそれを見て喚声を上げる人々という構図が見られます。

しかし、飛び込むのは子供の頃からずっとこの川で育ってきた人ではなく、通りすがりの観光客という事もたまにあるようです。無謀な挑戦は事故を起こすだけですので用心して欲しいものです。

また最近は、観光客が橋の上から飛び込む姿を見たいからと言って、地元の子供にお金を渡して飛び込んでもらうと言うような、好ましくない話も聞こえてきます。真偽のほどは定かではないですが、それが本当だとしたら大変残念な話です。
橋の上から飛び込む姿地元の子供たちは小さい頃からこの美しい川に親しみ、亀岩、ゴリラ岩、三角岩と飛び込み、ついには橋の上から飛び込めるようになって自信と度胸をつけていくのです。

言わば子供たちの通過儀礼のようなものだと思います。そんな微笑ましい光景を外部から汚す事の無いようにして欲しいと思います。
盆踊り有名な郡上八幡の盆踊りです。お盆の徹夜踊りの時は特に大勢の人で賑わい、通る隙間も無いぐらいです。昼間は川遊びや町並み散策で楽しみ、夕方から夜に掛けて踊りを楽しんで宵の口に帰って行く観光客…。

でも地元の人に言わせると、一番面白いのは観光客が少なくなる夜中の3時とか4時とかだそうです。ほとんどが地元の人や常連の人になってくると本当にきれいにそろった踊りが見られるそうです。昔は朝の5時半頃まで踊ったそうですが、明け方の薄明かりの中に浮かぶ盆踊りと屋台の光景というのもなかなかいいものですね。
春のお祭りそしてこの盆踊りに負けず劣らず素敵なのが、実は春のお祭りです。町内にある3つの神社からそれぞれ神楽を出して、町内を練り歩きます。

氏子の人達が神楽を舞い、お囃子を奏でます。もちろん獅子舞もあります。2日間にわたって繰り広げられ、2日目の夜にはそれぞれの神社へと獅子は帰って行き、終局となります。

実はこの3つの神社から出てくる獅子は夫婦と子供だそうで、年に一度この時に出会うのだそうです。ですから2日目の終局の時には獅子は「まだ帰りたくない」と言って神社の階段を下りようとし、氏子の人々は神社へ獅子を何とか戻そうとし、神社の階段では悲しくも感動的なドラマが展開されると言う事です。

郡上八幡はいいところです。その自然と人情は温かく優しいです。ただ残念な事に、最近はあまりにも観光化されすぎているという面があります。上にも書いたような観光化の弊害も出てきています。風情のあるきれいな吉田川の川原のあちこちで観光客がバーベキューをしているのを見ると正直幻滅します。

大好きな郡上八幡ですから、皆さんにも是非一度訪ねてもらいたいと思うものの、一方ではあまり観光客が増えてほしくないと言う気持ちもあり複雑です。それでも、当工房へ来られた際は少し足を伸ばして郡上八幡を楽しんでみませんか。
2007.08.16
「郡上八幡」
8月お盆、例年のごとく郡上八幡の妻の実家へ行ってきました。郡上八幡(正式には郡上市八幡町)は今や全国的に有名な町ですが、当工房から車で約50分ほどの所にあります。観光ガイドや雑誌、テレビなどでよく紹介されていますので今更紹介というのも何ですが、私なりに少しだけマニアックな紹介をしたいと思います。
いがわ小径吉田川沿いの散策路1枚目の写真は鯉やマスなどが放流されている「いがわ小径」で、2枚目の写真は吉田川沿いに整備されている散策路です。
風情のある町並み風情のある町並み風情のある町並みなどは歩いているだけで心が和みます。
おいしい水が飲める井戸格子戸に掛けてある俳句ところどころにはおいしい水が飲める井戸もあり、民家の格子戸には俳句が掛けてあったりもします。
大工道具を売っている金物屋さんそんな町並みを歩いていると面白い店がいっぱい見つかります。昔ながらの大工道具を売っている金物屋さん「ヤマカ刃物店」。ここで衝動買いした小鉋(こがんな)と鑿(のみ)は、とても使いやすくお気に入りの道具となっています。

他にも、昔ながらの風呂桶屋さん、指物名人の仕事場、釣り道具屋さん(主に鮎掛けの釣り道具)、下駄屋さん、浴衣や藍染の着物を売っているお店などなど、たくさんの隠れたお店が点在しています。
おいしい大判焼きのお店「まるみつ」の大判焼きは、様々な餡のほかチーズなどが入ったものもありとてもおいしいです。郡上八幡にはおいしいものもたくさんあり、シュークリームなら「杵屋(きねや)」です。日本一おいしくてしかも安い!

おみやげ物には「大間見屋(おおまみや)」の肉桂玉と肉桂せんべいですね。(ここは超有名な店です。)又、我が家では欠かす事の出来ない「丸九(まるく)」の醤油。20年来ここの醤油以外は使っていません。
「ミックス」という鶏肉大のお気に入りは「鳥信(とりのぶ)」の「ミックス」という鶏肉。ホットプレートで焼き、塩胡椒で味付けし醤油をつけて食べますが、これがうまい!ビールのつまみに最高です。
葉なんばんそしてもうひとつ忘れてはならないのが「大国(おおくに)」の「葉なんばん」。ごはんにのせて食べます。辛さも色々選べます。もちろん無添加です。

つづく
2007.07.13
「野菜、雨、そして日常」
畑今年も野菜は豊作です。家族だけでは食べきれない量の野菜が毎日畑から収穫されます。妻が知人に配ったりして喜んで頂いて、その言葉に幸せを感じつつ、暮らしています。

じゃがいもはすでに先月収穫し、今年もたっぷり1年分のストックができました。今年は事のほかじゃがいもが豊作でした。ししとう、ピーマン、ナス、きゅうり、ゴーヤー、トマト、スイカもどっさり採れ、毎日食卓に上っています。
野菜の収穫おかげで我が家は子供も野菜が大好きです。娘もお弁当箱に毎日ミニトマトを入れているようです。子供を野菜嫌いにしない方法は、やはり親が自分で野菜を作り、採れたてのおいしい野菜を食べさせる事が一番のようです。

ただし、あまりの野菜の多さで、それを食べ切るのは容易ではなく、おかげで肉や魚の比率が減っているのは致し方ない事かも…。(もちろん料理好きの妻が、メニューが偏らないように気を使ってくれてはいますが…。)
ところで話は変わりますが、このところ雨続きで台風まで接近しているようです。土砂災害や日照不足による作物被害なども心配です。ですが、実はこういう時が私ども木工房にとっては一番作業が進む時のようでもあります。

雨のおかげでうだるような暑さも無く、雨の音以外はあまり聞こえないとなると、工房の中での作業はとても集中できます。お気に入りの音楽などをBGMにして、ひたすら作業に没頭します。本当に当分雨が続いて欲しいくらいです。(こんな事を言うと絶対怒られるでしょうね…。)雨が上がった後のうだるような暑さの日々が怖い…。

秋には個展を予定していますが、個展に絵を提供して頂ける画家の方が先日お見えになりました。色鉛筆や水彩画で素敵な絵を描いていらっしゃいます。何気ない日常を切り取ったその絵はまさに癒しを感じさせるものでした。

私自身は絵も苦手で、その方のような芸術的な才能がうらやましいです。私はただコツコツと作る事しかできません。そのような事をお話致しましたら、「コツコツと出来る事が才能じゃないですか。」と言われ、「なるほどそうなのか」と思いました。

振り返ると、昔から、手間隙掛けて何かを作る事に苦痛を感じた事はありません。制作中の様子を覗いた妻がよく「わっ、面倒くさそう。」と言うのですが、本人はあまりそんな事は感じず、むしろ楽しんでさえいます。(妻はどちらかと言うと芸術的才能の持ち主のようです。ちなみに当工房のロゴとなっている字を書いたのは妻です。わたしの字と比べて妻の字のほうが受けが良かったのでそれに決定しました。)

芸術的才能渇望症の私は、「芸術的才能は無くても、それがあればいいか。」と思い、少し元気を頂いてその画家の方とお別れしました。

畑そして今日もまたコツコツと椅子の座刳りや肘の削りを行っています。おかげで首から肩にかけてまたパンパンにこってしまいましたが…。
2007.05.19
「今年の畑」
お久しぶりの里山便りです。ここのところ難しい仕事が続いてストレスが溜まりまくりですが、そんな時には畑へ出ると気分がすっきりしてストレス解消になります。

畑畑実は今年から畑の面積が増えて、野菜も増産体制に入っています。好んでそうしたわけではありませんが、以前この里山便りで書いた近所の野菜作り名人のご老人から畑を頼まれたからです。

ご高齢と病気が理由でついに引退を決意され、ついては「畑を守(もり)してくれ」と頼まれましたので、工房のすぐ目の前という事で引き受けました。

生産品目はじゃがいも、トマト、ミニトマト、ナス、きゅうり、ピーマン、ししとう、ほうれんそう、ゴーヤー、とうもろこし、さつまいも、スイカ、そしてイチゴなどです。一部は花畑にもしました。
畑採れたてのイチゴ今はイチゴが旬です。毎日家族のデザート分ぐらいのイチゴが畑で赤くなっています。採ってきて食卓で頂くのもおいしいですが、やはり畑でそのままかじるのが一番!まさに小さなイチゴ狩りです。

無農薬ですから安心ですし、少々土が付いていようが形が悪かろうが、そんな事は問題ありません。

時々鳥だか猫だか分かりませんが、おすそ分けをしつつ大地の恵み、太陽の恵みを感じながらおいしく頂いています。そういうわけで畑で英気を養いながら、仕事に明け暮れる毎日が続いています。
2007.03.30
「リサイクル」
家の建て替えをされたお客様から、「旧家の梁に使われていた欅(ケヤキ)の木を使って何かを作って欲しい」と頼まれました。持ち込まれた欅(ケヤキ)の木は随分と赤茶けた色になっていて、年季を感じさせました。サイズを考えた結果、テレビ台にしようという事になり、巾が少し狭いので、半分に挽き割り接ぎ合わせて使う事にしました。

持ち込まれた材料の量が限られているので、材料を最大限に利用してシンプルなテレビ台に決めました。欅(ケヤキ)は、年輪はもちろんの事、その木味が素晴らしいのでシンプルなデザインでも十分に味わいが出ます。

もちろん、長年働いてきた欅(ケヤキ)の木に敬意を表して、仕口には蟻桟などの伝統的工法を使います。又、これから長い間働いてもらわなくてはいけませんから…。

オイルで仕上げてみるとやはり素晴らしい色合いになりました。長い年月の間に割れが進んだ部分もありますが、十分に乾燥しきっているので、それ以上は割れが進む事も無いでしょう。むしろ、割れや節、虫穴などがその家の年輪を感じさせて、いい味わいが出ています。
ケヤキのテレビ台 ケヤキのテレビ台 ケヤキのテレビ台
古い材料の良さは、乾燥しきって狂いが少ないという事。この板も一度削った後、数日放置しておいても全く狂いませんでした。又、昔の材料は概して良材が多かったという事も言えるでしょう。

リサイクルは、仕事としては手間がかかりますが、他には代え難い良さがある事も事実です。何より、百年近く使われてきた木を再生する事は、とても素敵な事だと思いませんか?
2007.02.25
「後継者」
切り出し小刀1本の電話があった。刃物店からである。

「半布里工房さんですか。○○刃物店です。お久しぶりです。ちょっとお聞きしますが、半布里さんは切り出し(小刀)の柄を付けたりする事は出来ませんか?」

余りに唐突な質問なので、少し間をおいてからどういう事かとお聞きすると、「実はこの町で(刃物で有名な岐阜県関市)有名な刃物の柄付けの職人さんが、高齢になり廃業される事になったのです。それで、だれか代わりにそういう事の出来る人はいないか探しているのです。」という事でした。

この柄付け職人さんの腕は相当なものらしく、この人が高齢で廃業する事になって、困っている作家さんや職人さんたちも数多いとの事。

当然の事だが、私は自分の道具の一部を自作したり、改造する事はあっても、そんな専門的な仕事はできない。丁重にお断りすると同時に、心当たりがあればまた連絡するとの旨をお話して電話を終わった。

電話を切った後思った。いくら素晴らしい腕や才能を持っていても、それを発揮するためには道具というものが無くてはならない。そして、その道具も又すばらしい腕や才能を持った人によって作られている。そういう人がだんだんといなくなっているのが現実で、それによって絶滅しようとしている工芸があるのも又現実である。

私も、難しい仕口の加工の時には、やはり○○刃物店の特製の刃物が随分役に立つ。これが無ければやはり苦労するだろうと思う。そして、そういう道具を作ってくれる職人さんのおかげで私も仕事が出来ている。又、○○刃物店のような、その道の専門家からお話をお聞きしながら、良い道具を選んで使い、道具の使い方も学び、今の仕事を続けていられる。

そんな仕事の後継者が無くならない事を祈るばかりである。

…ところで、この近辺で刃物の柄付けの出来る方、誰か知りませんか?もし知っていたら、お知らせ下さい。
2007.02.11
「マイナーチェンジ」
車を変える事になりました。10年乗った愛着のある車です。まだまだ走れますし、見た目もきれいですが、そろそろ…という事で、変える事になりました。折りしも年度末という事で、各社必死に商戦を繰り広げています。いくつか回ってみてようやく決定しました。

ところで、自動車にマイナーチェンジがあるように、わが家具もマイナーチェンジを繰り返しています。定番となっているテーブルや椅子、小物などが主になりますが、作るたびに少しずつ改善を積み重ねてきています。

現在ちょうどπチェアの特注を制作中ですが、このπチェアも以下のようにマイナーチェンジを積み重ねてきました。
πチェア誕生当初の型です。「後脚2本だけでアームを支える、シンプルで座り心地の良いアームチェア」が作りたいと思い、発想した物です。後ろから見た姿が数字の「π」に似ている事から「πチェア」と命名しました。

アームの接合の仕方や後脚とアームとの接合力が弱く商品化には至りませんでしたが、現在私の事務用に使っています。
πチェア上記の問題点を改善して作った試作品です。ほぼ現在の型になっています。ただやはりアームの接合力にもう一工夫ほしいといったところでした。

又、材質はありあわせの栓の木で作ったもので、この椅子には不向きだという事が分かりました。この椅子にはもう少し粘りや可塑性がある木(たとえば桜など)が最適なのでしょう。現在は息子の学習用の椅子として活躍(?)中です。
πチェア正式に注文を受けて作った最初のπチェアです。材質はテーブルに合わせて楢と桜を使っています。座板の前下のカーブを無くし、フラットにしました。背柱の形を少し変えてみましたが、やはりこれ以降は前の型に戻す事にしました。
πチェア現在定番としているπチェアです。アームの部分の接ぎ合わせの仕方や、雇い核の入れ方に工夫を凝らして、一番問題となるアームの接合力を強化しました。

又、アームと後脚との接合部分も改善し、よりいっそうπチェアのデザイン性を高めました。材質は桜です。この椅子にはやはり桜が合います。
πチェア注文によって作ったウォールナットのπチェアです。ウォールナットも非常によく合う椅子だと分かりました。アームの高さを少し高くし、座刳りの深さも更に深くして、より座り心地が増しています。
πチェア最新作の特注品です。「肘をフラットにしたものが欲しい」とのご注文によって制作致しました。アームの上部の形状を少しなだらかにして、背当たりの感触を少し柔らかい感じに仕上げてあります。
「シンプルなアームチェア」の発想の元に始まったπチェアですが、少しづつ改善を重ねてきました。その中には、木工の先達「ハンス・ウェグナー」「サム・マルーフ」などの椅子に触発された部分もあります。

そのハンス・ウェグナー氏がつい最近(1月26日)逝去されたとの事を知りました。92歳というご高齢だったとの事ですが、感慨深いものがあります。故人のご冥福をお祈り致します。

ハンス・ウェグナー氏には到底及びませんが、私のπチェア作りもこれからも更に改善を加えて、ずっと作り続けていく事になるでしょう。
2007.01.01
「新年のご挨拶」
あけましておめでとうございます。

謹賀新年昨年も多くの方との出会いがありました。さまざまな出会いの中でつくづく感じた事は、やはりお客様に喜んで頂ける事が一番の喜びであり、仕事の活力になっていくという事です。

今年もお客様一人一人に喜んで頂ける仕事をしていきたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いします。