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丸棒けずり
丸棒けずり丸い棒を作るには、もちろん木工ろくろを使ってやる方法もあります。それ以外にここでは鉋を使って作る方法を書きます。

日常的にちょっと丸い棒が欲しいなと思ったとき(たとえば木ダボを作りたいと思ったときなど)は、我々はこんな風にして作っています。
丸棒けずり丸棒けずり大まかに言うと真四角な(断面の)棒をまず作り、その角を削って八角形にし、さらに角を削って十六角形にし、さらに角を削って三十二角形、さらにさらに六十四角形、百二十八角形…という風に限りなく円形に近づけていくのです。
丸棒けずりこんな治具の上に載せて削ると削りやすいです。結構太い丸棒も大丈夫です。

細い丸棒(たとえば木ダボなど)を削るときはこんな治具には載せず、直接削り台の上で削ります。
その様子を動画でご覧ください。角を削っていく様子が分かると思います。

丸棒けずりこうして木ダボなどは簡単に出来てしまいます。

少し話がそれますが、いつだったか岐阜県博物館の方々が当工房に来られました。縄文時代の遺跡を調査していて、その中から木製の農具(鋤や鍬など)が出土したということでした。

調べているとどうやら「槍鉋(やりがんな)」を使っていたのではないかと思われるような削り跡があるということで、本当にそうなのか見てほしいと当工房へ実際に出土したものをたくさん持ってこられたのです。驚いたことに、どれも水の中に浸したままケースに入れて持って来られました。「水から出してしまうとすぐにぼろぼろになって無くなってしまうから」との話でした。

実際に槍がんなの作業実演をしてお見せすると、その削り跡はもちろんのこと削りくずも確かにそばにあったと言われ、かなり確信を持つことができたようでした。
丸棒けずりところで、その鋤などの柄が丸い棒になっているので「どうやって作ったんでしょうね?」と言われました。(やっと本題に戻りました)そこで我々が日常的に丸棒を作っているこの方法を実演してお見せすると、感動されました。また同時にその時に出る削りくずもまた一緒にそばにあったということで、こちらも喜ばれました。

それにしても今から何千年も前に使われていたとは思えないほどその農具は美しく、高度な加工技術でした。まるで今も使えそうな感じでした。私などは「本当に縄文時代なの?せいぜい江戸時代じゃないの?」と思ったぐらいです。本当にびっくりしました。

またそれが本当だとすると、当時すでに木を削る鉄器があったということにもなりますし(私が小中学校で習った記憶だと、鉄器の登場は確かもっと後だったはず…)それに縄文時代は狩猟が中心で農作業は弥生時代だと習ったはず…まぁいろいろ変わるものですね。古代へのロマンが膨らんだひと時でした。話が大きく逸脱しましたが…。