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寄せ蟻(送り蟻)
反り止めとしての「吸い付き桟」の技法の一つです。「送り寄せ蟻」「落とし蟻」などさまざまな呼ばれ方をします。

普通の吸い付き桟のように板の片方の木端から差し込むのではなく、ブロックごとに分けて作られている蟻桟を上から「落として寄せる」というはめ方をします。そのため、蟻溝の跡が出ず、美観を損ねないという利点があります。

寄せ蟻 寄せ蟻 寄せ蟻

寄せ蟻ブロックごとに分離させるのでなく、ブロックをつなげて作る方法もあります。「支端(しば)残し」と呼ばれるやり方です。少し手間がかかりますが、この方が強度が高くなるのです。
「寄せ蟻」の利点の一つは、「加工の跡が分からない」という点です。美観を優先する場合はこれを用います。もう一つの利点は「取り外しができる」ということです。実際に取り外すということはまず無いですが、例えばどうしても現場で組み立てなければならないという時はこの方法を使えばできるのです。

ところで、「寄せ蟻」は通常の「吸い付き桟」に比べて格段に手間がかかります。以下、その様子をダイジェストでまとめました。
寄せ蟻 寄せ蟻まずはルーターという工具にストレートビットを付けて、正規のラインより小さめに荒彫りをします。
寄せ蟻 寄せ蟻次に蟻ビットに付け替えて、正規のラインに沿って溝を掘っていきます。テーパーになるように専用の治具を当て木にして彫っていきます。
寄せ蟻蟻の部分を上から落とし込むことができるように、トリマーという工具で1個おきに彫り広げていきます。
寄せ蟻これで広い部分に上から落とし込み、叩いて寄せるという「寄せ蟻」の穴が完成です。
寄せ蟻次に穴位置に合わせて男木に印(線)を書きます。○印が蟻を残す部分です。
寄せ蟻片方に仮に蟻を加工します。蟻の高さ(深さ)決めが目的です。
寄せ蟻トリマーで蟻を付けない部分を削り取ります。
寄せ蟻蟻をつける部分と付けない部分が1つおきに並んでいます。
寄せ蟻いよいよ正式に蟻加工をします。少しづつ削っては穴に合わせということを繰り返し行っていきます。非常に微妙な嵌め合いなので慎重に行います。

穴のテーパーに合うように、専用の治具を使って削っていきます
寄せ蟻完成です。1個おきに蟻部分が加工されているのが分かりますか?蟻部分と蟻部分をつなぐことで全体の強度が高まるというこの作り方は、「支端(しば)残し」と呼ばれたりもします。
寄せ蟻今回は取り外しをする必要も無いので、中央にネジを打って止めました。こうすることで板が収縮して動いても蟻桟までつられて動くことは無く、中心がずれないということになります。もちろん穴は埋め木をして隠します。

以上、非常に大雑把ですがこんな感じで「寄せ蟻」の加工をします。
 
関連項目
仕口とは
ほぞ接ぎ・組接ぎ手
蟻組み接ぎ(蟻組み継ぎ)
留形隠し蟻組み接ぎ(留形隠し蟻組み継ぎ)
吸い付き桟

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