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木になる話
木になる話
材料と加工代の関係
通常お客様にお見積もりを差し上げる場合、次のような事をお見積もり項目に入れて価格を決めます。例えばテーブルを例に取ると次のようなものが含まれます。
「材料代」
天板の板の材料代および脚部に使う木材の材料代、その他塗装に使うオイル代、必要に応じて金具代など。

「加工代」
脚部のデザインなどに応じても変わってきます。当工房だけではできない加工(例えば大きな板を削る大きな機械など)は外注となり、その代金なども含まれたりします。

「その他」
例えば材料を運ぶ場合には運送代など。

「消費税分」
消費税です。
例えば、材料代が180,000円で加工代が170,000円、その他が5,000円だとすると、合計355,000円×1.05=372,750円となります。(送料はまた別となります。)

ここで私が言いたいのは、仮に同じようなデザインであったとしても「安い板と高い板の場合ではやはり加工代は違ってくる」という事です。一見腑に落ちないかもしれませんが、例えばこういう事です。簡単に言うと、高い板・材料を使って加工する場合は、全ての段階において手間や価格が違ってくるという事なのです。
無垢一枚板 無垢一枚板 無垢一枚板
まず「板の価値に見合った良いものにしたい」(価値観の問題)という気持ちになりますから、デザインにかける時間も労力も変わってきます。天板の素晴らしさに見合うように、当然脚部に使う材料も吟味した良いものを選ぶようになります。当然その材料代も高くなります。

板削りひとつをとっても、時間と労力は変わってきます。外注の価格も高くなったりします。鉋仕上げの慎重さも回数も違ったりします。(素晴らしい杢の板を削るのは簡単な事ではありません。杢をきれいに生かすためには技術も必要です。)

加工に使う仕口なども凝ったものを使ったりします。(時にはそれが表には見えない部分かもしれませんが)当然手間がかかるようになります。例えばオイル・ワックス仕上げの回数も増えたりすると思います。(素晴らしい板の表情をより際立たせるために、納得いくまでやったりするのです。)

他にも色々あります。ことほど左様に全ての工程において取り組みが違ってくるのです。その板の価値を最大限に生かすための努力を払うからです。ですから、仮に同じようなデザインであったとしても加工代は違ってくるというわけです。もちろん、デザインに応じて基本的な(通常の)価格というのは決めていますが、時にはそんな風に変わってくるという事もご理解頂ければと思うのです。

あともうひとつ気をつけてもらいたい事があります。インターネットで色々な工房やメーカーのサイトを見ていると、例えば次のような場合があります。
栃無垢一枚板 350,000円 + 脚の価格 75,000円 = 合計425,000円
一見すると、これは「板代が350,000円で加工代が75,000円」のように見えて、この工房は加工代がすごく安く見えます。しかし、それが間違いです。加工代というものの中には本来は一枚板天板の仕上げ(例えば削り、磨き、反り止めの加工など)と、脚部の加工の両方が含まれているのです。

実はこの工房では板の350,000円の中に加工代(たとえば100,000円〜150,000円ぐらい)を既に入れていると思われます。もしかすると利益も入れていると思います。つまり元々の材料代は150,000円〜200,000円ぐらいであっただろうと想像されます。

当工房ではこういうからくりは使いません。ただし、全て込みで価格をお知らせします。あるいはお客様と一緒に材料を選ぶ場合などは、材木店で聞く正直な材料代に当工房が頂く加工代をお知らせして、合算して考えて頂いています。「よそではこの脚(のデザイン)が50,000円だったのに、なぜそんなに高いのだ」という人がいましたが、それには上記のような理由があるのです。

さて、いろいろ書きましたが、要はどんな価格であろうとお客様が信頼して任せて頂けるような仕事をする事が一番でしょう。それを目指してひたすら研鑽あるのみです。